1970年北京ーー。軍の居住地、“大院”で姉と二人暮らしをしているシャオ・チュンション(シャオ・ジャン)は、仲間たちからの信頼があつい頼れる兄貴分。同じ大院育ちで親友のイエ・グオホワ(リウ・ルイリン)とは共に入隊を夢見る親友同士だ。あるとき、グオホワからホー・ホンリン(ツァオ・フェイラン)に一目ぼれしたと相談を受け手助けをすることに。しかし、ホンリンの人柄を知るにつれて、チュンションも特別な思いを抱くようになる。病気の母親を助けながら暮らしているホンリンの、入隊してバイオリン奏者になる夢を応援する。ホンリンやグオホワの入隊が先に決まり、焦るチュンションだったが、ようやく自分も入隊できることに。一方、軍医を志す友人のトン・シャオメイ(リー・チン)は、チュンションへの思いを秘めていたがそれを口にはせずに自分たちは夢を追う同志だと励ます。そんな中、チュンションは、ある特別任務の遂行中に負傷してしまう。夢への道が途絶えたことに絶望し、北京に戻ったチュンションだったが、様々な仕事に就きながら、そして仲間たちと新しい社会に向き合っていく。
・[NEW] 2024/12/26 2025年2月アンコール放送!
・2024/6/7 <放送決定>第1話、2話終了後に、インタビューを含むメイキング映像を放送!
・2024/6/7 <終了しました> <視聴者プレゼント>シャオ・ジャン、 リー・チンほかのサイン入写真セット、衛星劇場オリジナルクリアカード(非売品)ほか、抽選でプレゼント(応募締切:2024年7月15日(月)23:59)詳しくはこちら
・2024/5/30 【有料上映】衛星劇場 放送記念 シャオ・ジャン主演「春を待ちわびて」第1・2話特別上映会(衣装展示あり) <2024年6月10日(月)14:00~なんばパークスシネマ【大阪】>
・2024/5/30 【有料上映】衛星劇場 放送記念 シャオ・ジャン主演「春を待ちわびて」第1・2話特別上映会(衣装展示あり) <2024年6月13日(木)14:00~新宿ピカデリー【東京】>
・2024/5/17 【有料上映】衛星劇場 放送記念 シャオ・ジャン主演「春を待ちわびて」第1・2話特別上映会(衣装展示あり) <新宿ピカデリー 2024年6月3日(月)19時~>【チケット発売:2024年5月19日(日)24時~】
・2024/4/24 「春を待ちわびて~The sea in the dream~(原題:夢中的那片海)」特設ページ公開!
日本でも高い人気を誇るスター、シャオ・ジャンが、変わりゆく中国・北京で生きる真っすぐな気性の青年を瑞々しく演じた青春と成長の物語。共演は、シャオ・ジャンとは「狼殿下-Fate of Love-」などでも共演したリー・チン、「永遠の桃花~三生三世~」のリウ・ルイリンほか。
1970年代の北京。軍の居住地である大院に住む肖春生は、幼なじみや町の不良たちとケンカをしたり、友情を育んだり、マドンナ的存在の美少女に恋をしたりと青春を謳歌していた。春生は尊敬する父と同じように軍に入ることを目指していたが……。オールド北京のクラシカルでノスタルジックな雰囲気にシャオ・ジャンがピタリとハマり、正統派の青春ドラマが心地よい。その後、厳しい現実のなかでも理想や優しさを失わずに大人になっていく春生と、彼をとりまく友人や恋人たちのそれぞれの人生が描かれていく。
シャオ・ジャンが演じた肖春生は、優しく強くリーダーシップもあり、男女問わず慕われるカリスマ的存在だが、家の事情で目標である軍にはなかなか入れない。明るいようでいてどこか陰のある役はシャオ・ジャンの真骨頂。苦労や悲しみを乗り越え、それを知るからこそ人に寄り添い、自身のケガの経験をもとに当時不足していた医療機器の製造や販売に携わっていくという理想的すぎるような役も、シャオ・ジャンが演じるからこそ、自然で応援したくなる。まなざしの美しさはシャオ・ジャンの魅力の一つだが、本作でもその魅力がさく裂!親友を見つめる温かいまなざし、卑怯な敵を睨む燃えるようなまなざし、恋人を見つめる甘いまなざし、姉を見つめるいたずらっ子のようなまなざしなど、言葉にならない思いを伝えてくる目の演技に引き込まれる。
青春ドラマにおいて、女性キャラクターの方が大人なのはお約束だが、本作の女性キャラクターもみな現実的でたくましい。春生と、春生の幼なじみで親友の葉国華が恋する賀紅玲は、不良グループのリーダーである斉天の女といわれ、美しく魅惑的なイメージ。しかし実際は、父を亡くし病身の母との暮らしを支えるために働き、斉天に愛されながらも彼になびくことなく、軍のバイオリン奏者になる夢をもつ気高い女性。そんな彼女だからこそ、春生と恋に落ちるのだが……。一方、春生とは不思議な縁があり、優しさと強さという似た性格をもつのが、医師になることを目指す佟暁梅。春生への思いを自覚しても友人として春生を助け、自分の夢も諦めない。けなげで清々しい女性をリー・チンが好演している。このほか、春生の姉の艶秋や国華の妹の芳も聡明なキャラクター。彼女たちを相手に、シャオ・ジャンが優しい恋人、理想的な夫、かわいげのある弟などのさまざまな表情を見せている。
車はまだ少なく自転車が走る町並み、人々がかぶる北京の寒さを思わせる大きな毛皮の帽子。現在の北京や上海などの大都市からは想像もつかない70年代の景色だが、舞台となった什刹海は、今でも古き良き北京を感じられる観光スポットになっているという。監督のフー・ニンは、北京の時代の変化にカメラを向け、庶民の物語を映像化してきた名監督(2023年1月逝去)。本作でも時代の空気やそこに生きる人々の暮らしをこまやかに綴っている。時代劇の衣装や現代ドラマで見せる今時のファッションもステキなシャオ・ジャンだが、本作でのレトロでクラシカルな格好もこれまたお似合い。青年時代の重めの前髪、シャツにズボンという素朴な格好で、恋人を後ろに乗せて自転車をこぐ真っすぐな背中がまぶしい。個人的には中華ドラマあるあるだが、食事中に姉や恋人のお椀におかずを置いてあげるシャオ・ジャンに萌え!
1970年代から現在までの物語を描いた本作には、主人公たちが激動の時代に翻弄されていく姿も描かれている。ドラマ「三体」でも話題となった文化大革命は1966年から毛沢東が亡くなった76年まで続き、その混乱が落とす陰は主人公たちの親の状況や各家庭の経済格差にも感じられる。軍人の家の出であり、軍に入ることを目指していた主人公たちだが、1978年には鄧小平が「改革解放」政策を始め、経済活動が活性化、一方で軍は縮小される。軍にいた国華は軍をやめてビジネスマンとなっていた春生をうらやみ、自分も商売を始めるが……。社会の権力構造や価値観が目まぐるしく入れ替わるなか、純粋な若者だった主人公たちが過酷な現実をそれぞれどう生きていくか、普遍的な人間ドラマにも引き込まれる。
1970年代、寒風吹きすさぶ北京。肖春生(シャオ・チュンション)は軍での活躍を夢見つつも入隊審査になかなか通らず、仲間たちと共に楽しくも無為な日々を過ごしていた。ある日、封鎖された図書室に忍び込んだ春生は、他にも侵入者がいることに気づく。一方、春生の親友である葉国華(イエ・グオホワ)は街で見かけた少女に一目惚れし、彼女が乗り込んだバスを自転車で追う。
スケート場で不良グループと一触即発になった春生たち。不良グループのリーダーである斉天(チー・ティエン)は、3日後の対決を提案する。一方、かつて斉天に痛めつけられた李上游(リー・シャンヨウ)は、斉天に報復する機会をうかがっていた。春生が官舎の仲間たちと斉天への対応を話し合っているところへ、国華の一目惚れの相手である賀紅玲(ホー・ホンリン)が訪ねてきて…。
斉天と和解した春生は、軍で活躍する夢に向けて、斉天の兄貴分である梁東(リャン・ドン)に武術を教えてくれと頼み込む。梁東はその願いを聞き入れ、春生と酒を酌み交わす。そんな時、紅玲が梁東の家に野菜を届けに来る。斉天は紅玲の反応から、彼女が春生に好意を抱いていると見抜き、春生にそのことを伝える。国華もまた紅玲と春生の関係の変化に複雑な思いを抱き…。
紅玲は春生を嫉妬させようと、わざとスケート場で国華と親しく振る舞う。国華たちとの会話で好きな人についての話題になった時、春生は封鎖された図書室にいた顔も知らない少女のことを話す。それを聞いた佟暁梅(トン・シャオメイ)は、図書室で自分を救った恩人が春生だと知って驚く。国華の妹の葉芳(イエ・ファン)は、紅玲を巡る兄たちの関係を見抜き…。
国華と暁梅に見合いをさせようと母親同士がお膳立てするが、当人たちにその気はない。一方、斉天は知人のツテを頼って広州に行こうと計画していた。そんな中、斉天の弟分である郭黒子(グオ・ヘイズー)は仲間を引き連れて春生を襲撃する。春生は何とか争いを避けようとするが、仲間の1人である陳宏軍(チェン・ホンジュン)のとっさの行動がとんでもない事態を引き起こす。
兄貴分の斉天が失踪したとの知らせを受けた黒子と、やはり斉天の異変に気づいた紅玲が、春生に助力を求める。この件の黒幕に心当たりがある春生は仲間と共にその人物を訪ね、厳しく問いただす。一方、北京を離れた宏軍は勉強に励みつつ葉芳に淡い恋心を抱くが、葉芳には婚約者がいた。紅玲が帰宅すると、近所は大騒ぎになっていて…。
軍の訓練に参加中の国華は、文工団のバイオリン奏者に空きが出たことを紅玲に教える。春生と紅玲は、春生の父親である肖延培(シャオ・イエンペイ)の不眠を見かねて、ある計画を実行に移す。そして自分たちもまた、思いがけないひとときを過ごすのだった。休息を取ったことで落ち着きを取り戻した延培は、自身の現実を知りショックを受ける。
入隊を望む春生は審査の結果を心待ちにしていた。それと同時に、紅玲を文工団に入れようと暁梅を巻き込んで奔走する国華にも力を貸す。希望が膨らんで舞い上がる紅玲だったが、国華から残酷な現実を知らされて、冷や水を浴びせられたような気分になる。一方、医師になる夢を貫こうとする暁梅は、自分を理解してくれない親と衝突してしまう。
紅玲の母親に手術を受けさせるため段取りをつける国華。紅玲の母親はお気に入りの国華を頼ろうとするが、紅玲は彼の厚意を断る。入隊が決まった仲間たちは北京駅から雲南に向けて旅立っていく。紅玲と手紙で互いの近況を知らせ合う春生は、軍人になる夢を持ち続けたまま新たな一歩を踏み出すが、ある人物に目を付けられて…。
軍の宣伝部の幹事・李東征(リー・ドンジョン)は、舞台でバイオリンを演奏した紅玲に興味を持ち、何とかして近づこうとする。文工団に所属する陳燦(チェン・ツァン)たちは、紅玲が東征や国華からちやほやされることに嫉妬し、さまざまな嫌がらせをする。気丈に振る舞う紅玲だったが…。一方、大学入試の日を迎えた宏軍は、会場に向かう途中で受験票を奪われてしまう。
春生に朗報が舞い込む。ついに入隊が決まり、国華と同じ部隊に配属されることになったのだ。暁梅も数か月後に大学入試を控えている。春生は、姉の肖艶秋(シャオ・イエンチウ)と父親の世話を斉天に託し、家族や仲間に見送られながら北京駅をあとにする。新兵訓練が始まると、段磊(ドワン・レイ)という強力なライバルが出現。新兵の間では早速トラブルが起きる。
黒子と結婚した趙小恵(チャオ・シャオホイ)は、相変わらず嫉妬深い夫をたしなめる。仕事や勉強の合間に延培の看病を続ける暁梅は、延培から別人の名前で呼ばれ、複雑な思いを抱く。一方、艶秋は指導員のように自分を監視する斉天のことが煩わしくて仕方ない。ある晩、夜間学校の教師と艶秋が親しく話していると、斉天と黒子が学校の前に現れて…。
宝石商の項南(シアン・ナン)が購入した賭け石が最高級の翡翠の原石だったと知り、昆明で有名なチンピラの賈涛(ジア・タオ)はそれを買いたたこうとする。申し出を断られても諦めきれない賈涛は、手下と共に項南を追う。項南は逃げる途中、偶然通りかかった春生、紅玲、段磊に助けを求める。3人は賈涛たちに立ち向かうが、乱闘は大事件に発展してしまう。
雲南の巨大裏組織の頭目である賈輝(ジア・ホイ)は、春生と段磊の命を狙っていた。警察が護衛を解いたという情報を受け、春生たちが乗るバスを襲う賈輝たち。銃口を向けられても春生は動じず…。一方、大学生活を送る宏軍と葉芳は、自分たちに関する噂を巡って険悪な雰囲気になる。2人の間には過去の事件に関するわだかまりが残っていた。
精兵選抜テストに向けて自主練習に励む春生。紅玲はテスト項目から除外された山越えに固執する春生を諭すが、春生は頑として聞き入れようとしない。春生と国華、紅玲の関係にひずみが生じつつある中、いよいよ精兵選抜テストが始まる。春生から届いた手紙を読んだ暁梅は、自分も北京から出て広い世界で理想を実現したいと考える。
国華に不満を持つ兵士たちは、恥をかかせる目的で、皆の前で射撃の手本を見せるよう国華に迫る。それを見かねて助け船を出した春生は、後日、紅玲から配慮に欠けると注意され、納得できずに腹を立てる。しかし同じ班に所属する銭阿毛(チエン・アーマオ)からも、国華との付き合い方を考え直せと言われる。そんな時、阿毛の妻子が訪ねてきて…。
黒子たちが新しい商売を始める。知人からの情報を基に、人気があって入手しづらい品を仕入れては、利益を上乗せして売りさばくのだ。艶秋を自転車の後ろに乗せて出かけた斉天は、露店を出している黒子たちに出くわす。日雇いの力仕事に限界を感じていた斉天は、この商いで大金を稼ぐことができると聞いて興味を示す。
国境地帯で争いが起こり、春生たちが所属する精兵班は戦闘参加を願い出る。医療者の職責を果たしたいと考える暁梅も、危険を承知で前線へと向かう。敵の榴弾砲(りゅうだんほう)の位置を確認する任務を遂行中に、精兵班は中隊長から撤退を命じられる。敵地を探りに行ったまま戻ってこない春生を捜しに出た国華は、絶体絶命のピンチに陥る。
春生と艶秋は相手を心配させまいと、互いに本当のことを話せずにいた。訓練で失敗したことのない春生がなぜ負傷したのかと疑念を抱く段磊に対し、春生は「たまには失敗もする」と受け流す。また、見舞いに来た紅玲には「回復して慰問公演を見に行く」と約束し、国華には上層部に真相を明かすことを思いとどまらせる。
父親の期待に応えられなかったと肩を落とす春生は、暁梅の言葉に元気づけられる。春生は嘘をついていたと紅玲に打ち明け、自分の現状を洗いざらい話す。紅玲は2人の将来を考えて行動するよう説得するが、春生は幼い頃からの夢をどうしても諦めきれない。対照的な国華と春生の間で揺れる紅玲は、友人からの現実的な助言を聞き…。
北京に向かう列車の中で春生は無理に明るく振る舞う。暁梅は春生の支えになりたいと申し出る。春生は誰にも負担をかけたくないと考えていたが、暁梅の言葉に胸を打たれて思わず涙ぐむ。北京駅まで弟を迎えに来た艶秋は、予想もしなかった弟の姿に言葉を失う。久しぶりに自宅に戻った春生は父親の部屋に入り、涙をこぼすのだった。
暁梅は慣れない新生活に苦労する春生を細やかな心遣いで支えながら、春生が専門医のリハビリ指導を受けられるように尽力する。両親は娘が部隊を離れて医者になる機会を放棄したことを心配するが、暁梅自身は夢を諦めていない。一方、艶秋を街に連れ出して商売のヒントを探していた斉天は、ついに絶好のチャンスをつかむ。
思うようにリハビリの効果が出ず、春生の不安と焦りは増していく。暁梅は理学療法の勉強を続けながら鍼灸も学ぶが、母親は春生の治療にばかり時間を費やしている娘の様子に不満を抱いていた。一方、葉芳の家族もまた宏軍の進路を巡って不穏な雰囲気に。その頃、斉天が黒子と組んで始めたばかりの商売は、突然行き詰まってしまう。
ある人物から笑い者にされて投げやりになった春生は、かなわない夢を抱かせたと暁梅を責めたあげくに突き放す。ところが彼女が去ったあと、先の見えない人生に取り残されたことに気づく。葉芳は春生に、これまで暁梅がどんな思いで尽くしてきたかを説明する。そんな時、春生の家に暁梅の危機を知らせる電話がかかってきて…。
戦友からの手紙を読み、部隊での日々に思いをはせる春生。後日、見覚えのある本としおりを暁梅の家で見つけ、封鎖された図書室にいた人物の正体を初めて知る。艶秋と斉天の婚約祝いのあと、春生は暁梅と共に図書室の前へと向かい…。一方、国華は入院した紅玲のために品薄の薬が必要だと知り、何とか手に入れようと奔走する。
春生は時代の変化について話す高齢者たちの会話に耳を傾ける。少し前まで繁盛していた国営の食堂に行ってみると客の入りが悪い。繁華街にできた新しい店が人気なのだという。斉天は春生を利益の大きい輸入タバコの商売に誘う。一方、宏軍は春生を税関に新設された密輸監視隊に入れたいと考えるが、なぜか葉芳は反対する。
国華と紅玲が北京に戻り、春生たちは久々に仲間で集まってテーブルを囲む。しかし黒子の無神経な発言や紅玲の仏頂面により、いまひとつ盛り上がらない。その翌日、什刹海スケート場に集まった面々は遅れてきた紅玲の姿を見てあっけにとられる。過去にとらわれる者と、さまざまな経験を糧にして成長した者との対比が浮き彫りになる。
春生たちは宏軍が税関の所長に昇任したことを祝して食事会を開く。その食事の席で子供の話題が出て宏軍は複雑な気持ちに。葉芳は結婚当初から子供を望んでおらず、帰宅後に宏軍と口論になる。一方、紅玲の所属する文工団が軍縮による人員削減で廃止される可能性が出てきた。どうにかして部隊に残りたい紅玲は国華に相談する。
軍を辞めることになり、国華とは対照的に後ろ髪を引かれる思いの紅玲。その頃、葉芳は、宏軍の心を読めず不安を募らせていた。一方、密輸品のタバコを税関で差し止められてしまった黒子は、仕入れに協力した弟分たちのために対応を迫られる。しかし兄貴分の斉天を煩わせるのは忍びなく、税関の所長を務める宏軍に会いに行く。
春生を税関から追い出すことに成功し、上機嫌で家に帰ってきた宏軍。しかし卑劣な手を使ったことを葉芳に責められ、プライドを傷つけられて逆上する。一方、葉芳から呼び出された春生は、自分の落ち度だと説明して宏軍をかばう。そんな中、新しい楽団に入ってバイオリンの練習に励んでいた紅玲は、無理がたたって倒れてしまい…。
店を閉じることになり失意に沈む斉天を、雲南から戻った春生が叱りつける。当の春生は、かつて助けた宝石商の項南を手伝うために動き始めたことで、ようやく自分の活路を見いだす。うれしそうな春生を見て、応援してきた暁梅も喜ぶ。一方、体調が回復した紅玲は楽団に戻るつもりだったが、目の前に思わぬ壁が立ちはだかる。
春生はかつて通ったリハビリ施設で、ある少年が経済的な理由でリハビリを中断せざるを得ない状況だと知る。リハビリを巡る現状を知った春生は、宝石業で稼いだ資金を使い、施設への恩返しとして医療機器を寄贈したいと考える。だが性能の高い輸入品は入手が難しい。春生は暁梅から助言を受け、ある人物に相談してみることに。
春生の新事業はようやく軌道に乗り始める。そんな中、艶秋が女の子を出産し、斉天は父親になれた感動で男泣きする。全てが順調に進んでいたかに思われたある日、春生の元に柄の悪い男たちが押しかけてくる。一方、受注した商品が品薄で入手できず困っていた斉天は、偶然再会した知人から機器を仕入れることにするが…。
宏軍は長年にわたって募らせた不満を葉芳にぶちまける。暁梅は両親からも背中を押され、ついに春生と夫婦になる。月日が流れ、時は21世紀。国華が設立した“北京華盛(ホワション)貿易会社”は、急成長した“春暁(チュンシャオ)医療”を取引先の候補に挙げる。国華と宏軍は相手の素性を知らないまま、春暁医療の社長との会食に臨むのだった。
春暁医療の工場を視察した国華は、長年の没交渉によって昔の仲間たちとの間に壁ができたと感じ、春生との競争は自分の独り相撲にすぎなかったと思い知る。一方、国華が春生と交渉を始めたと知った李上游は、恩をちらつかせながら華盛の大口契約を自分の会社によこせと宏軍に迫る。そんな中、葉芳はついに宏軍との離婚を決意する。
春生の娘の誕生日会を経て、紅玲と国華の溝は決定的に深まる。国華は宏軍の指示に従い、春暁医療ではなく李上游の会社と契約を結ぶことに。技術的に劣る李上游の会社が契約を勝ち取った裏には何かがあると直感した春生は、自社の幹部が不審な行動をしていたことを知る。身内の裏切りを知った春生は厳しい決断を迫られる。
急ピッチで生産を進める春暁医療の工場では、工員の蔡(ツァイ)が風邪で欠勤。他の工員も体調が悪そうだと春生が気づく。斉天は工員を休日返上で働かせないと納期に間に合わないと訴えるが、春生はその提案を却下する。春節を祝うために春生の家を訪れた葉芳は、すっかり吹っ切れた様子。国華は和気あいあいとした春生の家族を羨む。
入院した工員の病気が、重い肺炎を引き起こす未知の感染症だと判明。春暁医療の工場では、唐突に生産休止を命じられた工員たちの間に動揺が広がる。しかし春生の丁寧な説明と誠実な対応により、全員が納得して自主隔離に応じるのだった。一方、暁梅は病院で危機対応に奔走していたが、自身も感染して高熱を出してしまい…。