心中天網島 河庄

作品詳細

柔らかな動きや自然な写実性を重視する“上方和事”の代表作。近松門左衛門の「心中天網島」(しんじゅうてんのあみじま)を近松半二が改作し歌舞伎に移した作品。祖父、父と二代の鴈治郎から受け継いだ家の芸を藤十郎がこってりと濃厚な味わいで演じている。藤十郎の治兵衛、段四郎の孫右衛門、時蔵の小春、東蔵の河内屋お庄。

大坂天満の紙屋治兵衛は、妻子がありながら遊女の紀の国屋小春に入れ上げ心中の約束までしていた。ある晩、小春逢いたさに北新地の茶屋河庄へやって来た治兵衛が、門口で中の様子を窺っていると、客の侍に小春が治兵衛への愛想尽かしを言っている。逆上した治兵衛は刃傷に及ぼうとするが…。

(2009年/平成21年10月・歌舞伎座)

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