作品詳細
江戸の吉原の廓情緒と獅子物の面白さを楽しめる長唄の舞踊です。旧暦の8月に芸者や太鼓持ちが仮装をし、評判の歌舞伎舞踊などを真似ながら練り歩いた「吉原俄」は吉原の三大行事の一つとして親しまれていました。祭囃子で幕が開くと、鳶頭と芸者が手獅子を持ち登場し吉原の様子を描いた洒落た歌詞に合わせて鳶頭は傘を用いた若い物との所作ダテを見せ、芸者は二枚の扇を使って華やかに踊ります。粋な鳶頭とふたりの芸者の変化に富んだ息の合った踊りがみどころで、吉原の更なる繁栄を祈って舞い納めます。
(2021年/令和3年10月・歌舞伎座)