作品詳細
三人の盗賊の運命的な出会いと、美しい名ぜりふ節分の夜更け、美しい娘姿の盗賊・お嬢吉三が、夜鷹のおとせの懐から100両を奪い取ります。その様子を終始見ていたのは、御家人崩れのお坊吉三。お嬢を呼び止めると、その金を巻き上げようとして二人は争いを始めます。そこへ通りかかった和尚吉三が二人を仲裁すると…。
「吉三郎」という同名の三人の盗賊が、100両の金と名刀・庚申丸を巡って数奇な運命に翻弄される物語のうち、三人が初めて出会い義兄弟の契りを交わす屈指の名場面です。黙阿弥ならではの美しく流麗な七五調のせりふ、幕末の退廃的な雰囲気を存分に堪能できる世話物の名作を清新な配役でお楽しみいただきます。
(2021年/令和3年5月・歌舞伎座)