作品詳細
女中さんと新進ピアニスト、恋の真実を描いて感動を呼ぶ珠玉の名篇!
田舎から出て来た純情で可愛らしい女中が、憧れの東京で夢にまで見た恋が…その恋をめぐって夢みる乙女心がユーモラスな行状となって見るものを楽しませる。
わかばは中田家の女中さんだが、上京してやっと一カ月。中田家は主人啓之助と妻よし江、長女百合子、長男で大学生の竹雄、小学校卒業も近い末っ子のみどり、と五人家族。皆わかばを可愛がってくれるが百合子だけは最近、恋人がいるのに結婚話が持ち上ってヒステリー気味でわかばに辛くあたる。月二回の公休日に初めて銀座に出掛けたわかばは、田舎の中学で先輩の山口千代子に逢い、彼女がすっかり都会風の美人になって、画家風の恋人まで連れているのでビックリした。二人と別れて銀座を歩く中、「忘れ物ですよ」と背の高い青年からハンドバックをさし出され…。