作品詳細
愛弟子・大槻義一の監督昇進を祝して、木下惠介が自らの原作を脚色してそのスタートを飾った純愛映画。撮影は成島東一郎が担当している。鳥取地方の風習を取り入れた「流し雛」を、倍賞千恵子、三上真一郎の清純コンビで描いた、少年少女の清らかな愛と涙の感動篇。
乙丸音也は新橋にレストランを持っている。彼は中学卒業の直前、九州から上京して苦労を重ね、終戦後、妻の文枝と新橋の駅前で握り飯を売ったのが始まりで、現在の地位まできた。音也は三十年も別れていた不幸な母ふくに、楽な暮しをさせたいと思い、引き取ることにした。音也夫婦には光太郎と保という二人の息子がいる。そして、運転手の八木が毎朝通ってくる。ふくが上京した日、お手伝いさんとして住み込むことになったふみ子が、母のはつに連れられてきたが…。