作品詳細
柴田錬三郎の『怪談累ヶ淵』を強姦、殺人、強盗といった猟奇色を強調して映像化した異色時代劇。田村正和は、旗本の嫡男を演じている。
旗本・深谷新左衛門は、鍼医・安川宗順から高利の金を借りた。しかしその返済を迫られると宗順を斬殺してしまった。深谷家に異変が起こったのは、その翌春からである。新左衛門は、妻とよが宗順の悪夢に憑かれ床につくと、女中おくまを雇った。おくまは、新左衛門と関係ができると奥方然と振舞い、やがて新左衛門の長男新一郎にまで、誘惑の手をのばした。新一郎はこれを苦に出奔。とよの病状は悪化した。新左衛門は病妻のために按摩を呼んだが、その顔は宗順にそっくりだった。それから間もなく、とよの悲鳴で駈けつけた新左衛門は、按摩に斬りかかった。だが、凄まじい形相を残して死んだのは、とよだった。やがて、その因果は新左衛門の子の代へと受け継がれ…。