作品詳細
侍の娘ながら、娼婦に身を落とした女・お浪の儚い半生を描く。永井荷風の同名の初期小説を久保田万太郎が新派のために脚色した舞台用の台本をもとにして映画化した作品。『外科室』の坂東玉三郎が、再び吉永小百合を主演にして描く監督第二作。
明治も終わりの頃。奉公先の旦那の死により縁を切られ、生まれたばかりの娘・お種も里子に出し故郷に戻ってきたお浪(吉永)は、士族であった父の病気と多大な借金のため、深川州崎遊郭の大店『大八幡』に身を売り、楓という花魁となっていた。三年ぶりに故郷に戻ってきたお浪は、お種が里子先でひどい仕打ちを受けていると聞かされ、年期を延ばして借金を重ねてお種を引き取ることにした。