作品詳細
夫婦の心情的危機をシリアスに描き出した小津安二郎監督の戦後第2作。
幼子のためにやむを得ず一夜身を売った妻(田中絹代)を戦地から帰った夫(佐野周二)が許すまでを描く。
『長屋紳士録』同様、戦後直後ならではの題材が基になっている作品。
終戦してもいまだ復員しない夫・修一の帰りを待ちながら、何とかやりくりをして懸命に生きる時子。だが、息子が病気になり治療費を捻出するため、時子は仕方なく一度きりの売春をする。やがて、復員してきた修一はその事実を知り時子に暴力をふるうが、最後には時子を許し2人は和解する。