作品詳細
拳闘に命を賭ける親子の愛情とボクシングの凄絶さを中心に二百万円をめぐる人間の哀歓を描く青春アクション篇。井上友一郎原作「上と下」を映画化した作品。
美容学校の講師・白藤守彦と生徒の梅林ルカは、密会のため旅館“伊香保”に泊っていたが、ある日、二人は、そこで買った二百万円の宝くじがくじ屋の間違いから当っているのも知らず箱根まで足をのばした。“伊香保”では女中の典子や、その父であり宝くじ屋の六之助らが大騒ぎ。六之助は守彦が取りにくるまで宝くじをお守り袋にしまい込んだ。新聞やラジオは、“羨ましい話題、二百万円の置忘れ”と報じたが、守彦は密会が公けになるのを恐れ取りに戻らなかった。一方そのころ、守彦の両親である校長のみつと理事長の賢良は、賢良の弟で今は学校の下働きをしている元ボクサー・大四郎に彼の所有する土地を学校増築のために貸して欲しいと頼んでいた。