作品詳細
昭和初期に流行したタップ・ダンスの技法を取り入れ、高下駄をリズミカルに鳴らして踊る楽しい舞踊。
桜咲き競う春の一日、さる大名が供を連れて出かけ酒宴を始めようとした。ところが高坏(盃をのせるための道具)を忘れてきた。そこで次郎冠者に高坏を買って来るよう命じる。だが次郎冠者は高坏がどのようなものかを知らない。困った次郎冠者が「高坏買いましょう」と声をはりあげて歩き始めると、向こうから高足売がやってくる。からかってやろうと思った高足(=高下駄)売は、高坏とは高下駄のことだといいくるめ、高下駄を買わせる。勧められるまま酒を飲まされ浮かれた次郎冠者は高下駄をはいて軽快に踊り出し…。
(2010年/平成22年2月・歌舞伎座)