作品詳細
島に降り立った少年、省吾。彼は海岸でイカダを作っている男に近づき、作業を手伝おうとする。ふたりの間に流れる微妙な空気。彼らはお互いをよく知っているようで、しかし他人のようでもある。明らかになる3年前の海難事故。ひとりの子供がイカダに乗って海へ出て、行方不明になったのだ。男は行方不明の子供の父親であり、省吾はその子供と一緒にイカダを作った親友だった。ふたりはぶつかりながらもイカダを組み上げていく。出来上がったイカダを海へ向かって引っ張るふたり。そのとき、省吾は事故が起きた真相を男に向かって語り始める。