作品詳細
大女優・田中絹代と公開当時に大スターへの階段を登っていた西城秀樹が共演した異色かつ華麗な青春映画。しっかり者の一人のお婆ちゃんの遺産をめぐって、6人の若い孫たちが織りなす、笑いあり涙ありのちょっぴりほろ苦い物語。
前年に『愛と誠』が大ヒットした西城秀樹が今度は大学生に扮し、言葉遣いや行動は少々荒っぽく、お婆ちゃんには憎まれ口をたたきながらも、誰よりも愛していたという爽やかな青年を演じている。
千葉県成田市駅前のパチンコ店。若者とチンピラの大喧嘩が始まった。必死の若者は、止めに入った警官をぶん殴ってしまい、留置場で一夜を明かしすことになってしまった。若者の名は土屋耕三(西城秀樹)。信州のT大学経済学部に通う学生で、登山狂である。耕三は母の一周忌の法要で帰って来たのだが、前日の喧嘩騒ぎで法要は間に合わなかった。当然ながら兄姉たちに非難される。祖母のキク(田中絹代)も北海道から出て来ているが、耕三の勝手な振舞いに小言を繰り返した。耕三は「うるせえなクソばばあ、養老院へでも行きゃあいいじゃねえか」とどなり返した。だが、一同はキクが亡夫の残した土地を処分して何億という大金を持っているために、特別に手厚く接待している。