作品詳細
当時放送されていた連続テレビドラマを大曽根辰保監督が映画化。マンモス都市・大阪の暗黒地帯を舞台に、社会の底辺におきさらされた人々の人間群像と、愛する妹の姿を求めて、暴力の街に挑む男のド根性を笑いとペーソス、そしてアクションで描く娯楽現代劇。主演の大木実のほかに、伴淳三郎や藤山寛美らが出演。
佐多玲一は淡路島の南端の港町で廻漕店を営んでいたが、妹幸代の消息を知りたい一心から、大阪のカスバと呼ばれる界隈に姿を見せた。ドヤ街にもぐりこんだ玲一は、多くの変わった人たちと接した。婦人刑務所で21年も服役したという猛者のおりん、“ドヤのキリスト”といわれる薬局の主人徳兵衛、“大学”と呼ばれる拾い屋、エレベーター・ガールのルミ子、百円宿の娘ではげしい気性の芳枝、その親友の露子など。