明日は日本晴れ

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作品詳細

『蜂の巣の子供たち』を製作した清水宏が、松竹における『狐と狸とおかめ』を一時中止してかかった戦後の第二作。町と温泉町をつなぐバスの中の物語で、「有りがたうさん」で実験ずみのオールロケーション映画、撮影は杉山公平が担当、京都近郊の山峡が舞台に選ばれた。キャストは、水島道太郎と三谷幸子、日守新一このほか、久方ぶりの國友和歌子、荒木忍のほか多数の素人俳優が配役に加わっている。オリジナルタイトルは「秋」。

そう涼の秋、今日も山峡の温泉町からボロボロの乗合バスが町の駅へ七曲がりの峠をあえいで登っている。イキのいいヤミ屋、重税を嘆く山主(坂田源次郎)、とりあげに急ぐ産婆(石原ミドリ)、カンの良いあん摩の福市(日守新一)など。そのバックミラーにうつる人生をよそに運転手木野清次(水島道太郎)は黙々とハンドルを動かしている。車掌の柳田サチ(三谷幸子)だけは清次の傍に立っている時間がたのしい。バックミラーにふと映った都会のにおいを持った女のまなざしがサチの心を不安にした。

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