作品詳細
ミュージカル「SMOKE」や「BLUE RAIN」など、日本でも人気を博した韓国発ミュージカルを手掛ける演出家チュ・ジョンファ。彼女が描き出す人間の深い業に寄り添うのは、音楽ホ・スヒョンの扇情的で美しい音楽。2018年、韓国で上演され注目を集めた本作を、河原雅彦の演出、河原と7年ぶりにタッグを組んだ中村倫也の主演で上演した日本版。
出演者は5名のみ。ベートーベンの生涯を通して描く、彼の音楽への情熱、音楽家として致命的な“難聴”という病に蝕まれていく苦しみ、その運命に立ち向かっていく人間の美しさ。さらに男女の愛情ではない〈不滅の恋人〉との関係。5人は、絶望の先にある希望をどう紡いでいくのか…
残り少ない人生を前に書かれたベートーベンの1通の手紙。そして、その手紙が一人の女性の元へ届く。聴力を失い絶望の中、青年ルードヴィヒが死と向き合っていたまさにその夜。吹きすさぶ嵐の音と共に見知らぬ女性マリーが幼い少年ウォルターを連れて現れる。
マリーは全てが終わったと思っていた彼に、また別の世界の扉を開けて去っていく。新しい世界で、新たな出会いに向き合おうとするルードヴィヒ。
しかしこの全ては、また新たな悲劇の始まりになるが…。
(2022年10月29日~11月13日 東京芸術劇場プレイハウスほか)