作品詳細
四十七士のひとり千崎弥五郎は「弥七」と名を替えて小間物屋に身をやつしていた。同じく竹森喜多八は「杢右衛門」と名乗って植木屋を営んでいる。弥七が、杢右衛門の妹・お市達に言い寄られているところへ、末を誓った恋人のおたかがやってきた。彼女は、弥七達の仇である高師直(史実上の吉良上野介のこと)の屋敷に仕える腰元の身分。討入りを果したい弥七は、おたかに屋敷への手引きをして貰いたいと頼む。
天明8年(1788)大坂で初演された忠臣蔵外伝のひとつ。将来を約束した浪士の為に命をかける女の悲哀が涙を誘う。
(2005年/平成17年9月・歌舞伎座)