神都に兄を探しにやってきた陳拾(ジョウ・チー)は人間のように賢い不思議な白猫に出会う。その正体は前大理寺卿の息子・李餅(ディン・ユーシー)。3年前、彼の父親は謎の刺客に襲われて亡くなり、彼自身も命を狙われて絶体絶命となるが、目覚めた時には半人半猫の体となっていた。その謎の真相を突き止めるため3年ぶりに神都に戻ってきた彼は、ひょんなことから陳拾を相棒にしてある事件を解決する。そして、その功績で大理寺の少卿に任命されると、明鏡堂を率いて神都を揺るがす妖猫事件の捜査を始める。だが、かつて精鋭組織だった明鏡堂は今では新人たちの寄せ集めで、刑部や金吾衛の将軍・邱慶之(ウェイ・ジャーミン)が捜査に横槍を入れてくる。そんな中、明鏡堂の部下たちと徐々に絆を築いていった李餅は彼らとともに事件捜査を進めるうち、3年前の真実に近づいていくのだった。
・[NEW]2024/8/27 「大理寺日誌~謎解く少卿には秘密がある~(原題:大理寺少卿游)」特設ページ公開!
唐の武則天の時代に白猫の名探偵が活躍する人気漫画「大理寺日誌」を翻案して実写ドラマ化。ディン・ユーシーが難事件に挑む半人半猫の大理寺少卿・李餅を演じる。李餅が個性豊かで愉快な仲間たちと繰り広げる事件捜査のミステリーと友情のストーリーは多くの視聴者の心を掴み、iQIYI(愛奇芸)での熱度が8000の大台を越え総合ランキング1位となり、時代劇、サスペンス、コメディのジャンルでも1位を独走する好成績を収めた。ジョウ・チー、ウェイ・ジャーミン共演。その他キャストも中国時代劇でお馴染みの面々が大集合。明鏡堂のメンバーたちは撮影現場でも周囲から「可愛い」「羨ましい」と言われる仲の良さで、息の合ったチームワークを発揮。エンディング曲は彼ら男性6人が歌う軽快なナンバーで、彼らが現代のオフィスで踊るMVも話題に。
ある事件をきっかけに、超人的能力を備えた半猫半人になってしまった李餅。目にもとまらぬハイスピードな移動や重力を無視した身軽さで悪と戦い、特殊な視覚や嗅覚でその場所で起きた出来事や通った人を感知し、明晰な頭脳で事件を解決に導く。皇帝の任命で大理寺少卿になった彼の決めセリフは「時がいくら過ぎようと真実は一つ」。まさに完璧なヒーローのようだが、3年前に襲撃されて父を殺された事件は謎のまま、自分が人ではないものになってしまった理由もわからず、時にはその後ろ姿に孤独と悲哀がにじむことも。そんな彼が一緒にいてほっとできるのが、地方からやってきた素朴で心優しい青年・周拾。李餅がふわふわの白猫の姿だったときに出会い、のちに猫人間だと知っても「あの猫が李餅さんだったんだ」と普通に受け入れてくれる彼を手放したくなくて、つい引き留めてしまう李餅が微笑ましい。李餅を演じる「七時吉祥~エンドレズ・ラブ~」「今宵、若様は恋に落ちる」などのディン・ユーシーは、小顔に大きな目で、すんとしたすまし顔も猫っぽい。劇中でも猫のようにのびをしたり、魚を持っている料理人の蔡じいさんに思わずついて行ってしまったりする姿がかわいい。
李餅とともに事件解決に挑むのが、大理寺の問題児とよばれる明鏡堂のメンバーたち。もともと明鏡堂は李餅の父であった前大理寺卿が創設し、数々の事件を解決してきた精鋭チームだったが、今いるのはポンコツの新人ばかり。自らを明鏡堂のまとめ役という王七は、おしゃべりでお調子者。口は立つが、業績査定に不利な地味な事件はやりたくないと、握りつぶしてきたずるいやつ。元武官の孫豹は、武力も身体能力も高いが、迷信深くて神頼み。胡人(異民族)の阿里巴巴は、やる気はあるが空回り気味で、官話8級の試験に連戦連敗中(言葉使いが微妙に間違っている)。そして事件の記録を担当する崔倍は、記憶力抜群で頭もいいが、災いを招く男。彼が外に出れば雨が降り、その場所には雷が落ちるという。そこに見習いとして加わったのが、ピュアな心をもつ働き者の周拾で、人はいいが字を読むことができない。ポンコツ具合もそれぞれだが、李餅が彼らの能力を引き出して、団結して事件を解決していくシーンに胸熱!みんなで仲良くおやつを食べる姿にも癒される。
物語の発端となる妖猫事件は、夜道で役人が妖猫に襲われ、その後、惨殺された遺体で見つかったという怪事件。妖猫の仕業か、人の手によるものなのか、殺害の動機や方法を李餅と明鏡堂の面々が捜査、虎と戦ったり気球に乗ったりと大奮闘して事件を解決する。その後も大理寺に持ち込まれるさまざまな事件に取り組むなかで、李餅は無敵の闘士・一枝花と遭遇。脱獄した凶暴な罪人で、人の歯に異常に執着するこの異形の者と、李餅は死闘をくりひろげることに。また、浅からぬ縁がある金吾衛の将軍・邱慶之との愛憎模様も気になるところ。吏部尚書の娘ながら、李餅と同じく大理寺少卿を務める上官檎、邱慶之の部下で不敵かつ不穏な空気を漂わせる来仲書、明鏡堂のメンバーに情報をくれる辻占の袁不二など、個性豊かなキャラクターがサスペンス・ミステリーを盛り上げる。
事件をめぐっては大理寺の捜査に介入したり、逆に捜査協力をしたりと、大理寺と複雑な関係にある金吾衛と刑部。中国ミステリー時代劇によく登場するこれらの機関は唐の時代、大理寺は刑罰や裁判などを担当し、中央政治機関の一つで刑部は司法を担当。重要案件には大理寺と刑部、そして行政監察機関、中央司法機関である御史台が合同であたった。一方、金吾衛は皇宮と官府の治安維持を担当。とすると、金吾衛の邱慶之が市井で起こった事件に介入するのは越権行為にも思えるが、皇宮の治安維持のためといえば許されるのか? ちなみに役職でいうと、大理寺卿は長官、少卿は次官、刑部や吏部などでは尚書が長官、侍郎が次官にあたる。他の人気ドラマで探してみれば、「君子盟」の主人公の蘭珏は礼部侍郎、その友人の王硯は刑部侍郎で、「宮廷恋仕官~ただいま殿下と捜査中~」の殿下こと蕭瑾瑜は、なんと若くして三法司(刑部・御史台・大理寺の併称)の長官となっている!
故郷から花の都・神都にやってきた陳拾は少女のスリに銭を奪われてしまう。少女を追っているうちに、草むらに隠れていた白猫を見つける。白猫は何かを伝えようとするが、字が読めない陳拾には理解できない。そして、陳拾はある店にスリをした少女がいることに気づく。店の女将は少女を叱って陳拾にわびる。程なく波斯国の王子が店を訪れた。女将は手厚くもてなすが、陳拾は王子たちを怪しみ女将に忠告する。すると女将は思わぬ行動に出て…
妖猫殺人事件の捜査がどこまで進んだかを探るため、金吾衛の邱慶之が大理寺にやってきた。正月の祭祀までに解決できないと面目を失う上官檎は、牢から脱走した白猫が怪しいとにらみ、3日以内に連れ戻すよう明鏡堂に命じる。白猫に噛まれて意識を失った陳拾は、李餅という男に救われていた。陳拾は済慈堂に送られたスリの少女のことを心配し、李餅と一緒に少女の家族を見つけることに。だが陳拾と白猫の手配書が至る所に貼られており…。
陳拾と李餅は、スリの少女・顧小環を家に帰そうと、持ち物から小環の身元を割り出す。そして小環の父と共に働いていたという張氏に小環を託すことに成功する。しかし張氏との話から、陳拾と李餅は、小環の父親が妖猫事件に巻き込まれて命を落としたことを知る。陳拾の疑いを晴らし、小環たちのために正義を取り戻すべく、李餅は陳拾と共に妖猫事件の独自捜査に乗り出す。しかし事件現場での調査中に、金吾衛の邱慶之たちと遭遇してしまう。
明鏡堂の面々は期限までに妖猫事件を解決できなければ命がない。そんな時、袁不二がやってきて陳拾の居場所を伝える。李餅は王七たちに大理寺の文書を持ってこさせ、事件を解決する気があるかと問う。責任逃れしか考えていない王七たちに李餅は一喝し、明鏡堂の没落ぶりを嘆く。そして妖猫事件と妖怪は無関係だと証明すればすべて解決すると忠告する。明鏡堂の過去の栄光を知った王七は、妖猫事件のからくりを暴いてみせると気を吐く。
陳拾と李餅は廃虚となった劇場で、孟奎から3年前の妖猫事件の真相を聞かされる。2人は孟奎に計画を中断し自首するよう説得するが、そこへ突入してきた金吾衛が孟奎を処刑してしまう。陳拾と李餅は巨大な天灯に乗り込んで逃げるのだが、その天灯には招かれざる客も乗っていた。大理寺に戻った明鏡堂の4人は、陳拾の証言によって共犯と見なされ、投獄される。だが妖猫事件の黒幕の正体を知ると、4人は事件を解決すべく脱獄するのだった。
李餅は、妖猫事件を解決に導いたことで皇帝と謁見することに成功。また、捜査能力を評価されて大理寺少卿に任じられる。しかし、李餅の少卿就任直後に礼部尚書の呂清が謎の死を遂げてしまう。重要参考人の死により手がかりを失った李餅は、猫の姿になって金吾衛に忍び込み、新たな手がかりとなる物を持ち去る。李餅は帰り際、猫の姿でいる時に陳拾と遭遇。慌てて李宅に身を隠すが、猫から人の姿になったところを陳拾に見られてしまう。
李餅が大理寺少卿に就任した翌朝、挨拶をしていると上官檎が遅れて登場した。上官檎はあえて手柄がほぼ皆無の明鏡堂を持ち出し、李餅より優位に立とうとする。大理寺は事件の解決件数と重要度により俸禄が計算されることから、王七は小さい事件を放置していた。それを知った李餅は激怒し、放置した事件をすべて調べ上げるよう命じる。一方、李餅の世話役となった陳拾は雑役の仕事を次々と奪い、思いも寄らぬ行動で大理寺の面々を驚かす。
金吾衛で入手した手がかりをもとに、とある闘技場を訪れた李餅。そこは何やら怪しげな場所で、主との面会を許されたのかと思いきや、いきなり痛烈な洗礼を浴びせられてしまう。李餅の持つ手がかりは、その闘技場にかつて何度も現れた無敵の闘士に関わっていた。明鏡堂の面々は員外郎の自害について調べ直すことになり、員外郎が首を吊ったとされる刑部の現場を訪れる。すると意外な事実が判明し、ある容疑者が浮かび上がるのだった。
陳拾は、員外郎の妹が何かを暗唱し始めるものの、その言葉の意味が分からず、袁不二のもとへと教えを請いに行く。一方、李餅は闘技場で手に入れた仮面の裏に書かれた番号を頼りに、元看守の趙の精肉店を尋ねる。趙は、李餅が見せた「甲申二十七」の文字を見て震え上がる。番号が示すその人物は一枝花と呼ばれ、不気味かつ凶暴で、歯に異常な執着を見せる罪人だという。その後、大理寺に帰った李餅は、仮面が行方不明になったことに気づく。
王七は李餅により職を解かれて明鏡堂を去る。崔倍は王七の処分を取り消すよう李餅に懇願するが、色よい返事を得られない。員外郎の事件は犯人が捕まり一件落着とされたが、李餅はまだ解決していないと考えていた。犯人の瓦職人は一枝花の調書のために犯行に及んだらしい。邱慶之が大理寺に現れ、瓦職人を渡すよう求めると、なんと瓦職人が牢で絶命したとの報告が。花之一と名乗る男が手を下したのだ。すると瓦職人の懐からある紙が見つかり…
李餅にそっけない態度を取られた王七は、やけ酒を飲んでいた。酔いが回って気が大きくなり、自分は少卿になったと放言、その勢いで両親に出世を知らせる文を書き、夜中にもかかわらず配達に出してしまう。翌日、正気に戻った王七は慌てて文を取り戻しに行くが、時すでに遅し。数日後、王七の母親が大理寺にやってくる。機転を利かせた孫豹が阿里巴巴の私邸へと誘導するが、王七の父親にまで押し掛けられ、窮地に陥った王七は…。
王七は、李餅の不在時に明鏡堂に入り込み、息子が少卿になったと思い込んでいる両親をごまかそうと少卿になりすます。すると両親から官服の着用や、仕事中の様子を見せろなどとせがまれ、言われるがままに振る舞ってしまう。明鏡堂の仲間たちが機転を利かせ、何とか外へ連れ出された両親だったが、そこへ上官檎が戻ってきて、王七の嘘が明らかになってしまう。さらに李餅も帰ってきて一連の騒動を知り、王七を解任しようとするが…
龍王廟で奇怪な亡骸が見つかった。死者は港で夜警をしていた劉福。明鏡堂はわずかな手がかりから、龍王廟は盗品の隠し場所で、犯人は盗みの常習犯だと推理する。港の実態を探ろうと李餅たちは聞き込みを進めるが、なぜか取り付く島もない。そんな中、物乞いの趙から劉福が盗みに加担していたとの話を聞く。そして趙は「皆知っているが皆知らない」と謎めいた言葉を残す。すると怪しい人物が現れるが、陳拾を人質に取られてしまい…
劉福殺害事件は大理寺が刑部から正式に引き継いだものの、李餅たちの犯人捜しは難航していた。そこで王七の提案により潜入捜査を行うことに。王七と崔倍、孫豹と阿里巴巴が二手に分かれて芝居を打ち、賊をおびき出そうとする。だが計画は意外な方向へと発展し、4人は生命の危機に瀕してしまう。陳拾は袁不二に言づけしたという水売りの男と無事に再会し、男の案内で兄の住まいへと向かうのだが、その途中で港へ急行する金吾衛を目撃し…。
水売りの男、陸にだまされたと悟った陳拾は、逃げようとするが殴られ気を失ってしまう。陸は、犯行に至った経緯を、目を覚ました陳拾に語り始める。犯行は、3年前の戦にさかのぼり、その際に起きた弟の冤罪事件が発端だという。明鏡堂の一行は、陸が語り終えた直後に現場へ踏み込み、陸を確保し、陳拾も保護する。李餅は事件解決後、胡姫と会い、現場で手に入れた木箱の中身が呂清の病を治した薬だった可能性が高いと聞かされる。
王七たちは、阿里巴巴と上官檎をくっつけようと2人で捜査する機会を作る。阿里巴巴たちは五石散を服用していた傘職人の杜成という人物にたどり着く。だが傘店に行くと杜成は死んでおり、店内にいた男に襲われて取り逃がしてしまう。一方、李餅と陳拾は秦家を訪れる。国子祭酒の秦紓は弟の死に悲しむそぶりも見せない。調べによると、生前の秦紈は秦紓の厳しい指導で萎縮しており、ある時奮起するも、醜態を演じて勘当されたという。
上官檎が大理寺に蔲娘という女子を連れてくる。蔲娘は杜成のもとに身を寄せており、杜成が秦紈の調剤した五石散をもらっていたことを証言する。また、とある薬の売人は杜成を介し、秦紈の処方を欲しがっていたという。李餅たちはその売人を容疑者と見なし捕縛に向かうが、売人は多量の薬を飲んで死亡、ひとまず一件落着となる。しかし上官檎は、ふとしたきっかけで蔲娘が事件の鍵を握っていたことに気づく。李餅も蔲娘の素性を突き止める。
崔倍は、清明節に自分の厄払いをしようと仲間に黙ってただ1人、寂れた山の道観へと向かう。一方、崔倍の行方不明に戸惑う明鏡堂の面々のもとへ、刑部より脱獄犯の捜索依頼が入る。現場は天池山。なんと、崔倍が向かったであろう山だった。李餅と明鏡堂の面々は、まずは脱獄犯を捜そうと天池山へ向かうが、道中、李餅の身に次々と災難が起きる。信心深い孫豹は、崔倍が持つ邪気による災いだと言うが、李餅は聞く耳を持たず突き進み…
崔倍は父親が正義の行いの末に殺されたことを知る。己の悪運とは何の関係もなかったのだ。李餅たちは運命が不公平だからこそ、見返りを求めず全力を尽くそうと誓い合う。吹っ切れた崔倍は長年そばにいた暗雲に別れを告げる。そして迎えた大理寺の武術試験。試験官の孫豹に勝てれば合格だったが、元斥候の孫豹は無敵で独り舞台だった。最後に残った陳拾は意外にも引き分けとなり合格とされたが、試験のやり方を変えるべきだと言いだす。
趙如意が櫃坊で狙ったのは、陸城隍という商人の金庫だった。陸城隍の養子が、くすねた銭を無断で保管していたらしい。孫豹は戦友で同じ斥候だった徐虎が、陸城隍に殺されたと信じ込んでいた。そんな折、趙如意の共犯としてある男が浮上する。李餅はその男の証言から、金吾衛が徐虎を追っていることを知る。また、刑部も趙如意の検視を行い、死んだはずの徐虎が下手人だと断定、親しい間柄だった孫豹は、刑部に拘束されてしまう。
孫豹は、今は亡きかつての戦友、徐虎が殺人犯であるとの疑いに納得がいかない。また自身も関与を疑われ、刑部の牢に入れられてしまう。孫豹は、脱獄して楊のいる義荘へ忍び込む。するとそこには死んだはずの徐虎がいたのだった。徐虎は、自身が死を偽装したのは、陸城隍の身辺調査の末、罠にはめられたためだという。陸城隍が裏組織の取り締まりを生き延びたのは、裏に官吏がいると推察。単独で極秘捜査を進めているのだった。
ある日、腕に多くの切り傷を負った女の亡骸が発見される。女は仕立店の主・趙二娘で死因は失血死だった。程なくして茶館の女将・王婆も全く同じように惨殺される。実は2年前にも同様の事件が起こっていた。また捜査を進めるうち、趙二娘は息子の借金返済のため、弟子の孫小迎を王婆に売った疑いが浮上する。一方、都では不気味な童謡が広まっていた。明鏡堂がこれまで解決してきた事件と今後直面することを暗示する内容だった。