明の時代、羅家で身分の低い母親から生まれた庶子の十一娘は、居心地の悪い羅家を離れて自由な人生を送ることを望んでいたが、姉の死後、その夫だった無口な将軍、徐令宜に嫁ぐことになる。徐令宜は父を亡くし若くして爵位を継いで徐家の大黒柱となって以来、家を守る責任と政治闘争で憔悴する毎日を送っていたが、若妻の十一娘に誠意を尽くす。そんな優しい夫に次第に心を開いていく十一娘だったが、実は彼女は謎の死を遂げた母親の仇敵が徐家にいるのではないかと疑っていた…。
「孤高の花~General&I~」でストイックながらヒロインに情熱的な愛を捧げる将軍役を演じて、日本ファンを虜にしたウォレス・チョンの待望の時代劇ドラマが登場! 本作で彼が演じたのは、恵まれない身の上のヒロインを温かく見守り優しい愛を注ぐ夫。そんなファンの期待に応える役柄は大反響を呼びドラマは大ヒット。リアルタイムでSNSや弾幕のコメントが盛り上がり、Weibo(微博)でのトレンド入りは100回に及んだ。
ウォレスの相手役を演じたのは「花様衛士〜ロイヤル・ミッション〜」「家族の名において」で各賞を受賞して人気・実力ともに若手女優のトップを走るタン・ソンユン。これまでのやんちゃなヒロインのイメージから脱皮して、お屋敷の若奥様役を見事に演じきった彼女は、本作でも高い評価と支持を集めた。
紆余曲折を経て亡き異母姉の遺志を継ぐため羅家から徐令宜に嫁いだ十一娘。だが、彼女は自分よりずっと年上で厳しい表情を崩さない徐令宜になかなか気を許すことができない。一方、徐令宜は亡き妻から正室となる十一娘を寵愛し“体面”を保ってあげてほしいと言い遺されていたが、結婚当日から夜になると自分を避ける若妻を見守ることしかできず…!? 本作の年の差カップルは中国の視聴者から“体面夫婦”の愛称がつけられ、結婚から始まる一進一退の恋の行方が注目された。互いに誤解を解いて心を近づけていき、試練を乗り越えいつしか本物のおしどり夫婦となっていく十一娘と徐令宜。そんな 2人のロマンスは笑いと胸キュン、涙と感動でいっぱいだ。
中国では「明蘭~才媛の春~」の大ヒット以来、名家の屋敷を舞台にしたドラマが人気のジャンルとなっており、本作もそんな“お屋敷ドラマ”として話題が沸騰。永平侯の爵位を持つ徐家の一族と使用人たちの人間模様が視聴者を一喜一憂させた。また、徐令宜が本意ではなく立場上娶った3人の側室の中でも、身分が高くプライドの高い喬蓮房が十一娘に強烈なライバル心を燃やすなど、妻たちの愛憎劇がスリリングに進行。夫の愛と屋敷での地位を争う女性同士のバトルも目の離せない展開となっていく。
本作はヒロインの敵討ちもテーマの一つ。十一娘は徐令宜に嫁ぐ前に実の母親を何者かに殺される悲劇に見舞われるが、ある手がかりからその事件に徐家が関係しているのではないかと疑いを抱き、徐家に嫁いでからも密かに事件について調べ続ける。しかし、この事件の裏には政治的な陰謀も見え隠れしてなかなか真相にたどり着けない。それでも決してあきらめずに真実を追い求める十一娘。徐令宜と宿敵との政治闘争も絡んでくる先の読めない復讐のミステリーに最後までハラハラさせられる。
明代を舞台にした本作は美術や小道具に当時の文化が美しく再現されている。特に目を引くのは衣装や巾着、団扇などにあしらわれている“蘇繍”。これは蘇州を起源とする中国四大刺繍の一つで、劇中では日用品や鑑賞品にも用いられるようになりさまざまな種類へと発展した明代の美しい“蘇繍”を見ることができる。また、 “蘇繍”を得意とする十一娘が貧しい女性たちに技術を教えるエピソードもあり、現代まで2000年以上にわたって受け継がれる伝統工芸の奥深さも味わえる。
主題歌「要一起」を歌うのは「花様衛士〜ロイヤル・ミッション〜」「長歌行」など数々の中国ドラマのヒット作でOSTを担当する人気歌手ジョウ・シェン(周深)。本作でも彼のカウンターテナーの高音による美しい歌声がシーンをドラマティックに盛り上げる。また、エンディング曲「落墨」を歌うのは歌手としても多くのファンに愛される徐令宜役のウォレス・チョン。さらに、十一娘役のタン・ソンユンも挿入歌「花願」で優しい歌声を聴かせてくれる。