ここ大崎工務店は大手建設会社の数ある下請け業者の一つです。
この工務店で働いている現場監督の石原堅造さんは高校を出て以来、建設作業員として今日までずっと現場で活躍してきた筋金入りの監督です。一方、間文太郎さんは国立大学を卒業してこの工務店に建設作業員として勤め、一級建築士の資格を持ち、働いているとても勤勉な青年です。 文太郎さんは、先ずこの工務店の専任設計技師である河野さんの助手として働きだしたのですが、文太郎さんと大崎社長の娘淳子さんとの恋仲に嫉妬した河野技師が社長にそのことを告げ口したため、クビになりかけたのでした。それを見た石原監督は、文太郎さんを自分の家へ引きとり、作業員達と一緒に現場で働かせることにしました。死んだ文太郎さんの父親に、昔世話になった恩があったからです。
ところが、他の作業員達にはとても人情深くて信望厚いと評判の石原監督が、どういう訳か文太郎さんへの態度は冷たく、他の作業員達以上に仕事を言いつけては辛くあたる日々…。
さて今日は、大崎工務店創立三十周年の記念日。祝いの人達が大ぜいかけつける中に混じって、河野設計技師もやって来ました。彼は自分の立場をカサにきて、淳子さんを我が子の嫁に迎えたいと社長に強要するのでした。
そんな時、文太郎さんのひいた設計図が…。
石原さんが文太郎さんに委ねた愛の設計図とはなんだったのでしょうか。