ところは大坂、裏長屋に暮らすおそめは勝気な利巧者。それにひきかえ旦那の松吉は腕は達者な大工だが、お人好しのオッチョコチョイで貧乏を背負ったような男。節季を迎えるというのに長屋の家賃は滞り、肝心の仕事道具は質屋預かりという有様。 ちょうどその頃、巷ではたくさんの死者を出した“お染風邪”という病が蔓延し、長屋の人々も恐れていた。ついには家主をはじめ借金取りが押しかけてきて途方に暮れるおそめと松吉、お染風邪で死んだことにして香典を集め、借金を返そうと思いついたのは良かったのだが…。
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