ときは親子の絆が希薄になってきた現代、ところは大阪の薬品会社。後発のジェネリック商品に脅かされ、新薬開発に会社の存亡がかかっている折、経営するワンマン社長は、会社経営の悩みだけではなく、少々変わった一人息子のことで頭を悩ませていた。若い頃は何事も仕事一筋で、家に帰らず親子でいる時間を持つことがなかった。今は、妻を幼い時に亡くし、何不自由なく育った息子を、自分の会社に勤めさせていた。 そんな時に、目に入れても痛くないその息子が会社を飛び出し、連絡が取れなくなる…親が子に思うこと、子が親に思うこと、各々わだかまりを抱えつつ、余計な気遣いから言葉に出せず、すれ違いから、誤解がどうやら生じていたらしい。
持前の明るい性格の息子がめぐり合う周りの人々を巻き込んで親子の関係を修復していく。
昭和の喜劇王・藤山寛美が全国に名をとどろかした「親バカ子バカ」を新作として、孫の藤山扇治郎が息子役に挑戦し、父親役の渋谷天外とがっぷり組み合う話題作。