作品詳細
江戸中期に実際に起きた心中事件を題材に、一途な青年武士と汚れを知らぬ遊女の恋を描いた岡本綺堂の作。言い争いから人を殺してしまい、自分も潔く死ぬ覚悟をする半九郎に、共に死にたいとすがりつくお染の思いが胸を打つ。幸四郎の半九郎、我當の市之助、彌十郎の源三郎に、時蔵のお染で。
寛永3年師走。将軍の供をして上洛した旗本菊地半九郎は、祇園の遊女お染と出会い恋仲になった。やがて江戸へ帰る日が近づき、お染を身請けしようと考えていた半九郎だが、些細なことから朋輩の市之助の弟源三郎と争いになり、激しい斬り合いの末、殺してしまう…。
(2001年/平成13年3月・歌舞伎座)