作品詳細
主君の源頼朝から富士の巻狩の総奉行職を命じられた工藤祐経は、そのための仮屋の普請を行うこととなり、柱建ての儀式を執り行います。これに列座するのは、小林朝比奈をはじめ、傾城の大磯の虎たちに加え、工藤を親の仇と狙う曽我十郎、五郎兄弟。いきり立つ五郎を舞鶴や茶道珍斎、喜瀬川がなだめるところ、工藤は兄弟の父である河津三郎の最期の様子を物語っていきます。
“柱建て”とは建築現場で初めて柱を立てる儀式のことで、「曽我もの」の舞踊のなかでも珍しい長唄の「新柱建」を再構成し、正月恒例の「新春浅草歌舞伎」を彩っている花形たちが揃って令和3(2021)年の幕開きを寿ぎます。
(2021年/令和3年1月・歌舞伎座)