作品詳細
京都の廓で見初めた小車太夫のことが忘れられない彫工の名人、左甚五郎。太夫に生き写しの人形を彫り、家の中に飾っています。ある日、人形相手に酒宴を始めると、不思議なことに人形が動き出すではありませんか。しかし、精魂込めた甚五郎の魂が宿っているため、仕草は男性そのもの。そこで廓で拾った太夫の鏡を人形の懐に入れてみると、たちまち女性らしい仕草となります。喜んだ甚五郎は人形を相手に踊り出しますが…。
日光東照宮の眠り猫の作者として有名な左甚五郎を白鸚、そして本演目で初めて本格的な女方を勤める孫の染五郎との絡みも楽しい高麗屋の魅力溢れるひと幕。
(2021年/令和3年6月・歌舞伎座)