作品詳細
師匠の木下惠介監督が愛弟子のために自ら企画し、同門の山田太一助監督が脚本を執筆、大槻義一が監督した純愛メロドラマ。撮影は小原治夫が担当している。至純な兄弟とその母がうたう愛の抒情詩。
富士山が望まれる富士吉田市。この町の一隅に勝田操(乙羽信子)の一家があった。長男の貞夫(川津祐介)には村上という織物工場の一人娘愛子(島かおり)という恋人があり、母の操、弟の勉(石川竜二)はそこで働いていた。貞夫は弟の勉だけは大学にやりたいと、母の操と相談していた。ある日、貞夫の工場で当然先輩の向井(末永功)がなると思われていた係長の椅子に、東京から別の人間が迎えられ…。