作品詳細
森の狸娘と若殿様の恋模様にレビュー式な唄と踊りが展開する。恋と活劇、笑いとユーモアの中に描く絢爛華麗な豪華絵巻。狸王国の国宝照々大明神を狙う蝙蝠族と、これを護る狸族との一大争奪戦を中心に、絢爛たる狸御殿の大仮装舞踏会、ファンタジックな胡桃の森で愛の囁きを交わす狸王国の王子様と可憐な胡桃売りの娘お花との初恋物語を描く。
今宵満月の夜、夢と幻想の楽園狸の国では、若殿鼓太郎をはじめ城中あげての大仮装舞踏会が催されていた。さて近所の胡桃の森に住む可憐な胡桃売りのお花と間抜けなポン吉狸は、強欲な親方太郎兵衛に内緒で御殿へ行こうとして見つかり、胡桃を全部売って来るように強いられた。仕方なく御殿で売り歩く中、浮かれたお花が歌いだし、これが若殿の気に召して、仮装舞踏会の飛び入り第一位に選ばれ褒美に駒鳥の籠をもらった。この狸の国に隣接する蝙蝠谷に闇右衛門を頭とする悪辣な蝙蝠族が棲んでいた。彼らはかねがね放射能雨に悩まされていたため娘のお誘を仮装舞踏会へ乗り込ませ、雨を防ぐ狸王国の守本尊照々大明神を奪わせようと企み…。