キューポラのある街

作品詳細

貧しさにもめげず強く、明るく、逞しく生きる子供たちをテーマに描いた感動の珠玉篇。浦山桐郎監督第一回作品、文部省選定。主演の吉永小百合が当時最年少のブルー・リボン主演女優賞を受賞し、以後大スターへの道を躍進することにもなった記念すべき作品。

鋳鉄溶解炉キューポラやこしきが林立する埼玉県川口市は、昔から鋳物職人の町である。石黒辰五郎も、職人気質一途にこしきを守って来た炭たきだ。辰五郎がつとめる工場の職工は、今年二十歳の塚本克己を除いて中老ばかり。それだけに大工場に買収されると辰五郎ほか三人の職工はクビになり、翌日から路頭に迷った。辰五郎の家は、妻トミ、長女ジュン、長男タカユキ、次男テツハルの五人家族。辰五郎がクビになった夜にトミは男児を産んだが、ヤケ酒を飲み歩いていた辰五郎は病院へ顔を出さず、克己とジュンが介抱した。ジュンは根性ある少女で、運動神経や成績もよく、高校進学を志していた。しかし辰五郎の退職の涙金も出ない石黒家は、次第に苦しくなっていき…。

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