作品詳細
登場人物はすべて悪人、やることなすことすべて極悪非道のすさまじさ。ある大名春藤家のお家騒動をバックに、色と欲がギラギラと地獄絵図を展開する。田村正和は、奥女中の年下の情夫を熱演。
春藤靭負と、名乗る大名の下屋敷。お銀の方は、藩医から毒薬を手に入れ、奥坊主珍斉を使って、奥方毒薬を計画した。臆病者の珍斉はこのことを妹お由以に打明けたが、お由以は陰謀の証拠をつかみ、訴え出て、恩賞にありつこうと企み、お銀の方の腹心で武芸に秀でた梅野に殺された。その頃、大守の乱行を伝え聞いた国表から二人の国侍が出府してきた。国表からは毒虫お銀の方を斬るか、さもなくば追放せよと強く諌言。だが、国侍二人は上屋敷の下級武士で優男の磯貝伊織に斬られた。さらに、伊織は大守に命じられるままに、梅野を斬って捨てた。そして、お銀の方と伊織は愛撫の絶頂にふけった。奥方毒殺の報が入った。お銀の方は伊織と靭負と珍斉の処置を講じていたが、二人の関係に気付いた靭負が踏みこんできた。