作品詳細
一人の若い兇悪犯の必死の逃亡を追って展開される息づまる刑事の追跡行、犯人の姉と愛人に交わされる人間愛を描く異色アクション巨編。
白昼、横浜の銀行が襲われた。行員の一人が撃たれた。犯人は特急つばめで逃げ、銀座あたりにひそんだらしかった。警視庁の山本、木崎両刑事がこの事件を担当した。犯人の使った拳銃は、数日前、大阪で刑事が殺されて奪われた警官用のものだった。犯人は笠原と断定され、深川の彼の姉の家のまわりに警戒網がはられた。笠原は両親がなく、育てられた叔父の家をとび出し、自転車泥棒で少年院に入り、一度は更生しようとしたが、職がなく、再びグレてしまった。芳子という女だけは愛していたが、十日ほど前、姉と一緒に見たニュース映画の街頭録音で、彼女が欲しいものはお金と答えているのを見て、そのまま大阪へ発ち、麻薬のルートで稼ごうとするが…。