作品詳細
淡く優しい色彩の舞台に、二人の万才が舞う華やかな義太夫のご祝儀舞踊。福助が女形、扇雀が立役でそれぞれ万才をつとめる。そもそも「万才」とは正月の風物で、年始に烏帽子・素襖を着て家々を回り、鼓を打って当年の繁栄を祝し賀詞をうたう者のこと。(滑稽な仕草の舞や駄洒落を掛け合う芸で、大和万歳、三河万歳、尾張万歳などが有名。大阪の「漫才」もこの流れ。)
今回の舞踊「万才」は文楽の四変化所作事『花競四季寿』のうちの「春の部」を基にしている。『四季寿』とあるように、春が「万才」、夏が「海女」、秋が「関寺小町」、冬が「鷺娘」という構成になっている。
(2006年/平成18年1月・歌舞伎座)