作品詳細
昭和32年頃、関西各地で、暴行、窃盗、殺人を繰り返した凶悪犯の実際の事件を基に、武田泰淳が篠崎シノというヒロインを創作して描いた短編の映画化。大島渚監督が人間の中に潜む悪魔と不思議な生命力を描いた問題作。
草深い信州の農村。ある夏、川の氾濫で畑を駄目にした篠崎の娘シノはホップの栽培とニジマスの養殖を計画し、その資金を彼女に気のある村長の息子源治から借りたが、その代償に彼女は彼に身をまかせた。シノに惚れていた小山田英助は現場を見つけて、村中に言いふらしたが彼女は平気だった。彼女は仕事が波に乗った一年後、村会議員に当選した源治に心中をせまられた。彼はシノの気持ちを試したかったのだ。彼女はその時ふとその気になって彼に従った。彼は死んだが、彼女は首をくくった柿の木が折れ失神しただけで助かった。二人の後をつけた英助は倒れているシノを犯した。これは白昼の通り魔になる英助の第一歩であった…。