作品詳細
シェイクスピア生誕450年となる2014年に上演された、蜷川幸雄演出による彩の国シェイクスピア・シリーズの第29弾。高潔なローマ人ブルータスが、友人でありローマの礎を築いた英雄シーザーを殺害するまでの苦悩とその後の彼の運命を描いた、シェイクスピア作品の中でも特に人気が高いローマ悲劇。2012年の『シンベリン』以来、2度目の主演を務めるのは、映画・舞台・テレビと幅広く活躍する演技派俳優阿部寛。さらに蜷川とのタッグで数々の伝説を残してきた藤原竜也が満を持してシリーズに初登場。そして蜷川作品をはじめ数々の舞台作品で活躍する横田栄司、日本を代表するシェイクスピア俳優吉田鋼太郎など、彩の国さいたま芸術劇場開館20周年企画に相応しい豪華な俳優陣が顔を揃えた。
ポンペイを破ったジュリアス・シーザー(横田栄司)が、大歓声の中、ローマに凱旋を果たす。その権力が益々強大となることを恐れたキャシアス(吉田鋼太郎)は、市民から厚い信望を得ていたブルータス(阿部寛)を仲間に引き入れ、暗殺を決行する。英雄の死に一度は混乱した市民たちも、直後に行われたブルータスの演説に納得するが、シーザーの腹心だったアントニー(藤原竜也)が弔辞を述べると、民衆の心は逆に反ブルータスへと翻ってしまう。形勢不利とみたブルータスとキャシアスは、兵を集め戦いに打ってでるが…。
(2014年10月7日~10月25日 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール)