作品詳細
シリーズ累計1,000万部を超える京極夏彦の大人気小説「百鬼夜行シリーズ」。中でも最高傑作との呼び声が高い「魍魎の匣」をイッツフォーリーズがミュージカル化!
人間そのものや、その内面を丁寧に描く作風に定評があり、今幅広いジャンルで活躍されている板垣恭一氏を演出に迎え、日本のオリジナルミュージカルの創作に拘った作曲家・故いずみたくの遺志を継いだイッツフォーリーズがおくる至高のオリジナルミュージカル。主人公の中禅寺秋彦役には、映画、テレビ、舞台と幅広く活躍を続ける小西遼生。正義感ゆえ暴走しがちな刑事・木場修太郎役をミュージカル「おれたちは天使じゃない」(21)など、イッツフォーリーズの名作舞台作品でカンパニーを引っ張る吉田雄。探偵の榎木津礼二郎役に舞台「刀剣乱舞」大坂夏の陣(21)、など数々の2.5次元ミュージカル作品で活躍し続けている北村諒。主人公・中禅寺の幼馴染で小説家の関口巽役を、ミュージカル「ナミヤ雑貨店の奇蹟」(20)で好演した神澤直也が演じる。
戦後の復興も盛んな昭和27年―。14歳の柚木加菜子はクラスメイトの楠本頼子に、自分たちは互いが互いの生まれ変わりだ、と声をかける。やがて二人は親交を深め、最終電車で湖を見に行く約束をする。しかし、中央線の途中駅で加菜子がホームから転落し、電車に轢かれてしまう。たまたまその電車に乗り合わせていた刑事の木場は、頼子と共に病院へと向かった。そこで加菜子の姉の柚木陽子と出会う。重体の加菜子を救えるのは、「匣(はこ)」と呼ばれている研究所だけだという陽子の懇願により、加菜子はその研究所に転院させられた。一方、小説家の関口は知り合いの雑誌記者・鳥口と出版社社員の中禅寺敦子と共に、武蔵野の連続バラバラ殺人事件を追っていた。その最中、「匣」のような建物に辿り着いてしまう。そこは「美馬坂近代醫學研究所」で、加菜子が入院している研究棟だった。その後、治療中の加菜子は失踪し、姉の陽子宛に脅迫文が届くのだった。鳥口は怪しい新興宗教の調査をしている中、関口を通して「京極堂」と呼ばれる拝み屋・中禅寺秋彦に相談を持ち掛ける。そこに私立探偵の榎木津礼二郎が加わり、行動を共にすることになり……。加菜子の誘拐、バラバラ殺人事件、謎の新興宗教……。異なる事象がやがて一つに集束していく。事件の裏に渦巻く「魍魎」とは何なのか。そして、京極堂の過去の秘密とは―?
(2021年11月10日~11月15日 オルタナティブシアター)