作品詳細
帝銀事件の真相を緻密な調査に基づくオリジナル脚本に則り、ドキュメンタリー・タッチで追求。これが初監督となる熊井啓が名声を確立した社会派サスペンスの傑作。
1948年1月26日、白衣を着用し「防疫班」の腕章をした東京都衛生課員を名乗る男が、行員16人に青酸化合物を飲ませて12人を殺害。無惨な大量毒殺事件は、テンペラ画家の平沢貞通被告が逮捕され、死刑が確定する。拷問による自白、被告の精神疾患や証言の不明瞭さに加え、謎の「名刺の男」、731部隊、GHQの介入など、様々な背後の動きとともに、事件は闇の中に迷走する。