作品詳細
豪快な荒事と江戸狂言の洒落っ気をふんだんに盛り込んだ祝祭劇。
新年正月。曽我五郎が大きな矢の根(鏃:やじり)を研いでいると、大薩摩主膳太夫が年頭のあいさつに訪れる。主膳太夫が祝儀に持参したのは縁起物の宝船の絵。五郎は、それを枕の下に敷いて大願成就の初夢を見ようと横になる。すると夢枕に兄曽我十郎が現れて、我が身にかかる危難から救って欲しいと告げる。目が覚めた五郎は、兄を救うため慌てて馬に乗り駆けつけるのだった。
お節料理や正月飾り、七福神にかけた「つらね」や、見得など随所に見どころがある曽我狂言。三津五郎の曽我五郎に、橋之助(現・芝翫)の曽我十郎、秀調の馬士畑右衛門、歌六の大薩摩主膳太夫でご覧頂く。
(2003年/平成15年1月・歌舞伎座)