作品詳細

女胴師“不知火おりん”の活躍を描く任侠アクション『陽炎』シリーズの第1作。昭和3年。熊本の花街・二本木の料亭・八雲に、かつてそこの娘だった女胴師・りんが帰ってくる。しかし、今や八雲は悪徳ヤクザ・岩船一家が牛耳り、博奕打ちと芸者が徘徊する色と欲が渦巻く場所に落ちぶれていた…。

抜けるような真夏の下、見事な菩薩の刺青を背にする洗い髪の女がいた。女の名はりん。女胴師である彼女を人は“不知火おりん”と呼んだ。ある日、大阪の難波政組の依頼を受けてそこに向かったおりんは、偶然義弟の市太郎に出会う。両親亡き後、若旦那として熊本・二本木の料亭・八雲を切り盛りしているはずの市太郎だったが、今や岩蔵が率いる岩船一家に店を乗っ取られ、博奕打ちと芸者が徘徊する色と欲の悪臭に満ちた場に成り下がっていた。そして、おりんは二度とまたぐことのないと思っていた八雲の敷居に足を踏み入れ…。

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