作品詳細
山王日枝神社の山王祭を主題とした清元の風俗舞踊「お祭り」。山王祭は神田祭とともに江戸を代表する祭りの一つで、山王祭の山車の数は四五番にもおよぶ盛大なもので、中でも特に名高い南伝馬町の「猿」の山車と大伝馬町の「鶏諫鼓(かんこどり)」の山車に由来して、曲の語り出しは「申酉の花も盛りの暑さにも」と始まり、この曲が通称「申酉」とも呼ばれる。
山王祭を終えた夕方、ほろ酔い加減で町内へ帰ってきた鳶頭の松吉。酔いにまかせて上機嫌の松吉は良い仲になった女郎との惚気話を始める。続いて狐拳で遊ぶ様子を見せ、祭りに因んだ引き物尽くしの踊りを賑やかに踊り、打って掛かる若い者をふりはらうのだった。粋でいなせな鳶の頭に仁左衛門が扮し、江戸っ子の心意気を華やかにそして艶やかに踊ります。
(2006年/平成18年10月・歌舞伎座)