作品詳細
兄頼朝との関係が悪化するなか、義経は悪臣の言葉にそそのかされ、遊興にうつつを抜かす日々。その様子を案じた忠臣の亀井六郎が雀踊りの奴たちに紛れて諫言するも、聞き入れられません。そこで泉三郎が義経の機嫌を直すため、日本一の音頭取りとして五斗兵衛を迎え入れます。この五斗兵衛、名軍師ながら、刀の目貫師として世を忍んでいるのですが、実は大の酒好き。最初は拒んでいましたが、大好物の酒を目の前に、ついに盃を手にしてしまい…。
禁酒を破った五斗兵衛が大酔して三番叟を踊ることから「五斗三番叟」と呼ばれ、歌舞伎の醍醐味あふれる演出と趣向が詰まった愉快なひと幕。奇抜な物語の展開が魅力の義太夫狂言をご堪能ください。
(2020年/令和2年1月・歌舞伎座)