作品詳細
大盗賊石川五右衛門がみせる、絢爛豪華な舞台
桜の咲き誇る、南禅寺山門の楼上。天下の大盗賊、石川五右衛門が煙管をくゆらせながら景色を眺めています。そこへ飛んできた一羽の白鷹がくわえた血染の遺書から、五右衛門は、自らが真柴久吉に討たれた大明国の宋蘇卿の遺児であることを知ります。やがて楼門の下を一人の巡礼が通りかかりますが、この巡礼こそ真柴久吉で…。
「絶景かな、絶景かな」で始まる石川五右衛門の名ぜりふで有名な人気の場面です。豊臣秀吉の命令で釜煎りの刑に処された大泥棒を描いた奇想天外な物語を背景とし、絢爛豪華な大仕掛けに、様式美あふれる舞台は、歌舞伎の醍醐味を堪能できるひと幕です。
(2021年/令和3年3月・歌舞伎座)