作品詳細
昭和61年「二月花形歌舞伎」の通し狂言で上演された仮名手本忠臣蔵から「七段目」<祇園一力茶屋の場>をお届けする。
仇討ちの志を忘れたかのように祇園で遊興にふける大星由良之助の真意を探ろうと、周囲が慌ただしくなる場面。後半は夫勘平の死を知らずに廓勤めしているおかると、その兄平右衛門とのやりとりが大きな見せ場となる。十二世團十郎の由良之助、玉三郎の遊女おかる、孝夫(現・仁左衛門)の平右衛門で遊里を背景に華やかながらも哀切なドラマが繰り広げられる情緒ゆたかな一幕。
(1986年/昭和61年2月・歌舞伎座)