作品詳細
箱根山中の阿弥陀寺へ兄の仇・滝口上野の手がかりを求め、飯沼勝五郎と妻の初花がやってきた。北条時政の法要の振舞酒に酔って寝てしまう連中の中から奴の筆助がむっくり起き上がる。筆助は北条家と仇の上野の動向を探るため潜入していたのだったが、その手の内は上野にお見通しなのであった…。足の不自由な勝五郎とその手助けをする初花は「小栗判官」の小栗判官と照手姫を思わせる演出。初花に横恋慕する上野は初花の母の早蕨を捕え、勝五郎を足下に踏みつけるなどして意に従わせようとし、夫と母を救うため初花は意向に沿う決意をする…。
開場後の歌舞伎座では初の仇討狂言に敵討に挑む勝五郎に勘九郎、夫の仇討ちのため後に奇跡を起こす妻初花に七之助、仇の滝口上野と勝五郎の忠実な家臣の二役に愛之助が挑む。
(2018年/平成30年1月・歌舞伎座)