作品詳細
長屋の嫌われ者“らくだ”という綽名の宇之助がふぐの毒にあたって死んでしまった。身寄りのない宇之助のために兄貴分のやたけたの熊五郎は弔いをしようと思案するが、通夜の費用が捻出できない。そこで通りがかった紙屑屋の久六をつかまえて、宇之助の家財を買って欲しいと頼むが「買い取るものなどない」と断られる。熊五郎は近所のものや家主に香典を貰うことを思いつく…。
「死人のカンカンノウ」で上手く香典代わりの酒と煮しめを手にいれた熊五郎と久六の二人。煮しめを肴に酒が進むうち、久六の態度が豹変し立場が入れ替わる後半が見どころ。
荒々しく癇癪持ちの熊五郎に愛之助、おどおどしているが実は酒乱の久六に中車、死人にもかかわらず絶妙な動きのらくだに片岡亀蔵の配役で。
(2017年/平成29年12月・歌舞伎座)