作品詳細
大坂新町の扇屋抱えの遊女夕霧が病によってこの世を去り、今日は四十九日。扇屋で法要の支度をしていると、夕霧の恋人・藤屋伊左衛門がやって来ます。放蕩の末に借金を抱え、家を勘当された伊左衛門は、夕霧の死に目にも会うことができませんでした。伊左衛門がその死を悼むところへ、在りし日の夕霧が姿を現し…。
和事芸の創始者である初世坂田藤十郎によって初演された上方由縁の作品を、四代目坂田藤十郎が自身の襲名披露興行で作り直し、たびたび伊左衛門を勤めてきました。名優を偲ぶひと幕をご堪能ください。
(2021年/令和3年1月・歌舞伎座)