小鍛冶

作品詳細

当代随一の刀匠・三條小鍛冶宗近(中車)のもとへ、帝からの勅使・橘道成(左團次)が訪れ、御剣を献上するように命じる。宗近は対等に打てる相槌がいないことに思い悩み、神仏のご加護を得ようと氏神の稲荷明神に祈りを捧げるところへ、忽然と気高い童子(猿之助)が現れ出でて…。

平安時代に実在した名匠が、名刀「小狐丸」を打つ伝説を描いた作品。前半は童子が放つ神秘性、後半は稲荷明神の荘重さ、リズミカルな槌音に合わせ刀剣がつくられていく動きなどみどころ。世の禍を鎮める霊力をもつとされ、時を超えて重宝される御剣。能『小鍛冶』を題材に初世猿翁(二世猿之助)が初演した澤瀉屋の家の芸「猿翁十種」のひとつに数えられる舞踊劇。

(2021年/令和3年4月・歌舞伎座)

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