作品詳細
恋しい女のために身の破滅をまねく男の悲しい行く末。
飛脚問屋・亀屋の養子の忠兵衛は遊女の梅川と深い仲。梅川を身請けする手付金を払ったものの、後金ができずにいる忠兵衛だったが、飛脚仲間の八右衛門が、自分が梅川を身請けすると言い出す。八右衛門と言い争いになり、悪口に耐えかねた忠兵衛は、客先へ届けるはずの公金三百両の封印を切ってしまう。公金の封印を切れば、死罪は確実。覚悟をきめた忠兵衛は、その金で梅川を身請けすると、二人で大和国へと落ち延びていくのだった。
上方和事の名作を、藤十郎の忠兵衛、扇雀の梅川、翫雀(現・鴈治郎)の八右衛門、我當の治右衛門で。
(2014年/平成26年3月・歌舞伎座)