作品詳細
右大臣の菅原道真(歌六)は、「娘の紅梅姫を帝の弟である斎世親王を妃にし、帝を退位させ斎世親王を擁立しようと企てている」という身に覚えのない謀反の疑いをかけられる。そこへ左大臣の藤原時平(白鸚)が現れて道真を庇うが、ついに謀反のあらぬ証拠が出てきてしまい、覚悟を決めた道真は、太宰府へ向けて去っていく。その様子を見送り一人になった途端、時平は笑い出す…。
善人に見えて実は悪の本性を持つ時平を白鸚が初役で勤め、道真との別れを惜しむところなど随所に竹本を入れたり、大太鼓に乗せて笑うなど白鸚のアイデアを盛り込んだ演出も見どころ。
(2021年/令和3年10月・歌舞伎座)