作品詳細
桜が満開の麹町山王下。桜見物に訪れた旗本の青山播磨は、町奴の放駒らと喧嘩になる所を、伯母の眞弓に止められます。播磨に縁談を勧めて、早く落ち着くように諭す眞弓を見送ると「叔母さまは苦手じゃ」と苦笑する播磨。それもそのはず、播磨は腰元のお菊と愛し合っており、よそから妻を迎える気はないのです。ところがお菊の方は播磨の縁談の噂を聞くと気が気でない様子、播磨の愛を確かめたいが為に、大切な家宝の皿を故意に割ってしまう…。
「そちの疑いは晴れようとも、疑われた播磨が無念は晴れぬ」以下の播磨の名セリフは聞きどころ。男女それぞれの愛に対する純粋な潔さが心に沁みる作品。
(2005年/平成17年2月・歌舞伎座)