作品詳細
時超輪廻古井処(ときをこえりんねのふるいど)
あのリングシリーズ“貞子”と伝統芸能“歌舞伎”『播州皿屋敷』の異色のコラボが実現!
室町時代後期。足利幕府は機能不全に陥り、有力守護大名の細川氏と山名氏が国を二分して争い、世情は乱れに乱れていた。細川家の国家老・浅山鉄山(愛之助)はこの機に乗じて、抵抗勢力をことごとく抹殺し、天下を掌握する野望をいだいていた。細川家の当主・勝元は病の床にあり、後継者の巴之介(愛之助・2役)が、政治に無関心で遊び呆けているのをいいことに、ますます権勢を強める鉄山の台頭に危機感を募らせた近習の船瀬三平(莟玉)は、その陰謀を暴こうと内偵を始めたものの、鉄山の返り討ちにあって井戸に落とされる。ただ、鉄山自身もまた、不思議な力に引き寄せられ、井戸に引きずり込まれてしまう。
その500年後の現代。同じ古井戸のそばで、若者たちが謎の死を遂げる。彼らに共通していたのは、古いVHSテープに映っていた同じ映像を見ていたということ。一報を受けて調査に乗り出した神官の室戸光(今井翼)は、現場の状況から「映像を目にした者は7日後に呪いが発動して死ぬのではないか」という仮説を立てる。事件の関係者の“スマホ”に問題の映像が録画されていることをつきとめた室戸は、“スマホ”を媒介して呪いが拡散する可能性に気づき戦慄する。折しもそこへ、井戸のもつ魔力で現代にタイムスリップしてきた鉄山が現れ、その“スマホ”をまんまと奪い去って姿を消す。
元の時代に戻った鉄山は、今度は、待望成就の妨げとなる、船瀬の許嫁のお菊(壱太郎)を、家宝の皿を紛失した濡れ衣を着せて殺害し、井戸に沈めてしまう。さらに、手に入れた“スマホ”の呪いを複製する手段を思いついた鉄山は、最強の政敵・山名宗全(男女蔵)を滅ぼすべく、恐るべき奇策に打って出るのであった…。
(2022年/令和4年10月・大阪松竹座)