作品詳細
山本周五郎原作。痛快でいてあたたかさを感じさせる喜劇。
桶屋の弥六は腕のいい職人ながら生来のなまけ者。女房や家主がいくら意見をしても聞く耳を持たない。あまりの体たらくを見かねた女房はしばらく実家に戻ることに。女房を引き留めもせず、ふて寝していた弥六が目覚めると、台所の隅に若く美しい女がうずくまっている。聞けば辰巳芸者の染次の幽霊で、男に騙され恨み死にしたが、弥六に惚れたので女房にしてほしいと言う。驚いた弥六だが染次夫婦同然に暮らし始め、幽霊貸し屋の商売を始める。他者への恨みを晴らしたい人のために幽霊を貸し出そうというアイデアで、商売は大繁盛するが…。
三津五郎の弥六に、福助の染次、勘三郎の又蔵ほかの出演。
(2007年/平成19年8月・歌舞伎座)